
ツララ ハーモニクススタッカート91MSS-HX(Tulala HARMONIX Staccato91MSS-HX)ストローセッティング
旅に必要な要素を詰め込んだミディアムスタンダード
「何でもできる」ではなく「より多くのフィールドで使える」というロッド。
今回のスタッカート91は、基本的なロッドの考え方は89と変わらない。
やはり「ロッドは曲がってなんぼ」であり、必要以上な強さは求めなかった。
何が変わったかというと、ウェーディングに特化したのではなく、より広い状況に使いやすい方向性に振った。
ロッドの長さは9.1フィートと、長すぎず短すぎずのスズキ用ロッドの基本的な長さ。
89の時はウェーディング専用なので9フィート以下という条件で進めたが、今回はより多くのフィールドでの汎用性がコンセプトにあるので9.1フィートにした。
ルアーウェイトは6~32gと一般的なシーバスルアーに合わせ、89よりもパワー帯を上げてある。
ラインはPE2号までだけど、1~1.2号がメイン。先述の「必要以上に強いロッドが必要な二つの条件」に合わせず、通常の一般的なシーバスを狙うフィールドにおいて必要なラインの最大値にしたからだ。
もしそれ以上のラインを使う条件ならば、ロッドを強くしないとバランスが取れないはず。
なので、もしもいつも同じところで、しかもそのフィールドが明らかに強いという事だけに特化する必要があるなら、他のロッドにしたほうが良い。
スズキ、ルアー(フック)、ライン、リール、そしてロッドという魚に近い順番でセッティングを考えた時に、一般的なフィールドで最も楽に釣りを続けられるセッティング。
だからという訳ではないが、グリップ長は比較的長めにした。
初場所では長くフィールドに立ち、ひたすら待たなくてはならない釣りも多くあるので。
私はロッドの為に旅に出るのではなく、スズキを釣る為に旅を続けている。
旅先の釣りでは、ある条件下のみに合わせた極端にあるロッドの出番は、あんがいと少なくなってしまうのだ。
それは、いつの間にかロッドに合わせたポイントのチョイスになってしまい、釣る為には強いロッドが必要だと思って進めてきたその道が、逆にアングラーの自由を奪っていってしまう事になる。
スタッカート91は、「何でもできる」ではなく「より多くのフィールドで使える」というロッド。
それは言い換えれば、ただのスズキ竿となる。
凡庸、平凡。
世の中が「素晴らしい特徴」ばかりを謳うこの時代に、あえて普通に使えるというだけのロッドを創る。
その理由はすごく簡単で、私が楽に旅の釣りを続けるに必要だったから。
そもそもスズキ釣りは、極端な専用ロッドを何本も持ち歩くような釣りではない。
1本でどこまで出来るか。
その時に選ぶべきロッドは何なのか。
もしもこのロッドを手に取ってもらった時に、最初に思い浮かべて欲しいのは、あなたが良く行くフィールドで一番頼りにするルアー。
それがスタッカート91のスペックとマッチするかしないか。
そして、そのセットをもって、今迄に行ったことが無いフィールドへ足を延ばす自分を想像して欲しい。
何処まで行っても想像力でしかないが、その想像力が釣りを面白くしていく。
その旅の友として選んでもらえるロッド。
そういう想いでスタッカート91を作った。
■Action:RF
■Length(ft):9'1"
■Rod Wt:206g
■PE(# MAX):2(フロロリーダー40~60LB推奨)
■Cast Wt(g):6~32g

「 ※生産時にやむを得ず発生する小さな傷、僅かなガイドのズレ、ナキ、キシミやスレッドなどのエポキシ(細かい気泡)等は交換対象となりませんのでご注意下さい。」また、皆様ご存じだとは思われますが、竿を曲げるとガイドのエポキシはメーカーにもよりますがガイドフットのクラックは使用頻度により出るものも御座いますのでこちらも返品対象にはなりませんのでご了承の上ご購入をお願い致します。
◇メインコンセプト
PEラインの持つメリットデメリットを把握し、飛距離、負荷分散、感度伝達など、メリットをトータルバランスで引き出すことができるガイドセッティング。
●モノフィラメント設計からPE専用設計へ
現代の釣りにおいて、ナイロンやフロロカーボンに代表されるモノフィラメントのラインでは妥協せざるを得なかった点が、PEラインの出現によって劇的な変化を迎えました。しかしながらPEラインがいろんなフィッシングスタイルに多用されるようになっても、釣り竿のガイドセッティングは旧態依然の従来のモノフィラライン仕様のままというのが実情です。従来のセッティングでは、PEラインのせっかくのよさが活かせず、 デメリットとすらなる事があります。
PEラインは、張りがなくラインのクセがつかないことが特徴。 モノフィラライン各種は進化したとはいえ、PEラインと比較して圧倒的に張りがあり、クセもつきます。 そのラインの張りとクセの特性から、リングサイズを大きくし、ガイド 数を少なく配置するのが従来。あくまでもこれらモノフィララインでの飛距離を優先していたからだと考えられます。
PEラインの場合、ガイド数を増やすことで、リングへの摩擦抵抗を軽減するという逆転の発想が必要でした。
●PE専用のガイドセッティング開発を通して
いくつかの事業で、これまで私自身はPE専用設定のガイドのセッティングを担当させていただく機会に恵まれました。その中には有名になった製品、ガイドシステムも存在しています。
張りがなく、クセがつかないPEラインは、数多くの小口径リングサイズを並べるセッティングが向いています。理由は、小口径リングだからリング間のラインのバタつきを抑えることができるからです。実際のフィールドで無風な状況はまずあり得ません。従来のように大きいリングサイズでガイド数が少ないと、リング内とガイド間隔でラインが暴れてしまい、逆に抵抗になりライントラブルとなってしまいます。このため以前より小口径リングでガイド数を増やすPEのセッティングを作ってきました。また小口径を多数セットすることにより、ブランクのパワーをより発揮できます。 キャスティング時やフッキング時のブランクのパワーと感度のアップ、リフティングパワーアップ、さらに各ガイドのライン角度がスムーズになるので、リトリーブフィールがスムーズになり、誘いからファイティング時の無駄なポンピングが減り、バラシも軽減します。こうして従来のセッティングから、従来製品の中にラインナップされた小口径製品を流用する形で、最初のPEセッティングが次々と生まれていきました。
●ストローセッティングへの進化
現在私が提案しているストローセッティングは、PEラインが主流になり、ガイド素材の軽量化が推し進められた近年、従来の専用設計では妥協せざるを得なかったところをトータル的に向上させたものです。これにはガイドを生産するメーカーや世界中のアングラーのアイデアなど、携わった多くの方の努力や知恵が関わっており、当然私一人でなし得たものではありません。特にトップガイド製品の多様化やフランジ形状、トルザイト、SiC-S、アルコナイトといった選択肢の増加が、ニーズや価格帯に合わせたセッティングを可能にしてきました。キャスティング時などに特にトラブルの多いティップにはガイドの形状とガイドポジションでトラブルレスなセッティングにしています。 また、ランディング時もスムーズにラインシステムが入る工夫もできるようになりました。これら技術の向上により、過酷な状況でもストレスなく集中できるはずです。 フリーフォール時などは、ラインの無駄なたるみがなくなるので、ラインの抜けもよりスムーズになっていることを実感していただけるはずです。ガイド数が多く増えても従来の大口径型ガイドシステムと比較してロッドの自重は変わらず、場合によっては軽くなるモデルも多くなってきました。こうしたガイド開発の歴史とともに、キャスティングの飛距離もPE専用で制作してきた従来のセッティングより数%アップしています。敢えてデメリットをあげるなら、ラインを通すのが面倒なくらいです。 老眼の方はとくに…。(笑)